〜ちょっとかめおかNo.33 (2008.11.16しのはら咲子となかまの会発行)〜 食の安全・安心「中国」や「悪徳業者」を責めるだけでいいの?私は農業をしています。それだけに、「中国で製造された冷凍インゲンから高濃度の農薬」「汚染米」などのニュースに接すると、考え込んでしまいます。 「汚染米」を食用に偽装販売した業者はもちろん悪いのですが、私は米の輸入そのものがおかしいと思いました。農民に30%の生産調整を強いながら、一方で消費量の7%(77万トン)を輸入し、政府は今後もっと増やすそうです。自給できるのに輸入?おかしな話ではありませんか。 お米を輸入しているのは、工業製品の輸出とのバランスをとるため、と政府は言います。しかし、他の工業先進国は、農業も工業も大切にしている国が多いのです。例えばフランスは食糧自給率が100%を超え、農産物輸出国です。 日本は地下資源はあまりとれませんが、農業をするにはうってつけの資源があります。それは、山から流れ出るきれいな水、お日さま、そして経験豊かな農民です。これを生かさず、「農産物は工業製品輸出のもうけで買えばいい」との政策が食糧自給率40%にまで低下させました。 「食の安全・安心」には、生産地と消費地が近いことが欠かせないのではないでしょうか。自分で作るのが一番ですが、次に近所→亀岡市→京都府とできるだけ近場で、生産者と消費者が出会えればいいですね。 | |
国の農政の転換を求めるとともに、生産者、消費者、地方行政いっしょになって、生産者と消費者がつながる努力をしていきたいですね。 (八木正行) 障がいのある人の就労支援個性を認め、支援の仕方を工夫して数年前、定時制高校で進路指導をされているM先生の講演を聴きました。定時制高校には知的障がいのある生徒もたくさんいるため、就労先がなかなか見つからず、M先生は可能性を求めて、いろんな企業に足を運ばれたそうです。 そこで、M先生が気付かれたことは、『企業の人は知的障がいについて、ほとんど知らない』ということだったそうです。障がいの有無に関わらず個性はそれぞれで、付き合っていくうちにその人らしさがわかってくるものですが、多くの人は知的障がいのある人と付き合った経験がなく、遠い存在としてイメージを作り上げてしまいがちです。 そこで、M先生は障がいのある生徒といっしょに企業に出向き、理解してもらえる企業を開拓されたそうです。知的障がいがあっても、時間をかけたり、支援の仕方を工夫すれば、充分、働けます。実際、知的障がいのある生徒と会い、「勝手にイメージをつくっていた。」と反省される企業の方も少なくなかったとのことです。 つまり、就労につなげるためには、まず、知的障がいのある人を知ってもらうことが必要です。「亀岡市」自体、率先して知的障がいのある人をもっと雇用してほしいものですが、知的障がいのある人を雇用している企業の方に講師になってもらい、雇用していない企業に向けて講演会を開くなど、情報を『つなぐ』『伝える』といったことはすぐにでもできそうです。また、小さい時から、障がいのある子と共に学び、いっしょにいるのが当たり前であれば、自然に互いを理解し合えるのではないでしょうか。障がいのある人の就労を考えることは、私たちの生き方、働き方、教育の在り方なども問い直すよい機会にもなると思います。 (村山起久子) |